鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ― 2025/08/14
目玉になる前のオヤジが、相棒となった水木とともに、幽霊族を喰い物にするおぞましい因習と戦う話。引っかかるのは、「鬼太郎誕生」の話ではないという点だ。最終的にはあの鬼太郎出生シーンにちゃんとつながっているが、それはあくまで後日談だし、肝心のオヤジが目玉になるくだりは本編では描かれていない。
水木しげるがその長年にわたる活動においても描かなかった前日譚を本人の没後に創作して、それを「誕生」と謳うのは、なんだかモヤモヤする。戦うのがオヤジだという設定さえ除けば、これは鬼太郎でなくとも成立するアニメだ。儲からないけど。
とは言え一方では、今さらそんなことを気にしても意味が無いと解っている。猫娘が8頭身の時代に何言ってんだって話だ。『ルパン』もそうだが、すでにみんなで受け継いでいくという次元な作品では、すべては二次創作であり、すべては許容されるべきなのだろう。大切なのは原作へのリスペクトで、本作には十分それが感じられる。
そんなわけで、割り切ってしまえば面白いと思う。遺言開封から始まる露骨な横溝正史パターンと、どこかで見たようなバトルシーンの動きが、ちょっと気になるくらいで、オヤジが目玉になるシーンを端折った点も、まあ事情は想像できる。飄々としたオヤジはカッコ良いし、水木のキレ方は胸がすくし、戦争でも平和でも人間は醜いという鬼太郎っぽい思想もあるし、現代版の前日譚としてアリな一品だ。
「片方隠すくらいでちょうどいい」は、後のシリーズでも使うべき名言。
水木しげるがその長年にわたる活動においても描かなかった前日譚を本人の没後に創作して、それを「誕生」と謳うのは、なんだかモヤモヤする。戦うのがオヤジだという設定さえ除けば、これは鬼太郎でなくとも成立するアニメだ。儲からないけど。
とは言え一方では、今さらそんなことを気にしても意味が無いと解っている。猫娘が8頭身の時代に何言ってんだって話だ。『ルパン』もそうだが、すでにみんなで受け継いでいくという次元な作品では、すべては二次創作であり、すべては許容されるべきなのだろう。大切なのは原作へのリスペクトで、本作には十分それが感じられる。
そんなわけで、割り切ってしまえば面白いと思う。遺言開封から始まる露骨な横溝正史パターンと、どこかで見たようなバトルシーンの動きが、ちょっと気になるくらいで、オヤジが目玉になるシーンを端折った点も、まあ事情は想像できる。飄々としたオヤジはカッコ良いし、水木のキレ方は胸がすくし、戦争でも平和でも人間は醜いという鬼太郎っぽい思想もあるし、現代版の前日譚としてアリな一品だ。
「片方隠すくらいでちょうどいい」は、後のシリーズでも使うべき名言。
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