戦隊シリーズ 終了 その22025/11/10

戦隊シリーズの終了はすでに確定扱いで、後番組にメタルヒーローの復活という話まで流れている。その一方で、件の彼女は飲酒を理由に「削除」されるに至った。

ニュースの中には、戦隊シリーズを「若手俳優の登竜門」のように説明するものもあって、まあその通りなんだけど、ちょっとモヤっとさせられる。結局のところ、特撮ヒーローがそういう存在としてしか生き残れていない現状に問題があるからだ。
言い方は悪いけど、彼女らにとって特撮は売名目的の踏み台であって、そもそもヒーローなんかに興味ないし、なんなら役者になりたいわけでもない。という感じに見える。そんな連中に「ヒーロー役としての自覚が足りない!」と言っても仕方ないわけで、むしろ藤岡弘、や宮内洋を讃えるべきなのだろう。

ギャバン系は、仮面ライダーとの棲み分けが難しそうだし、低予算だと悲しい出来になりそうだ。どうせニチアサなら、ロボコン系で良いんじゃないのかな。

その1
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戦隊シリーズ 終了2025/10/31

戦隊シリーズが終了するというニュースが流れている。

まだ公式発表ではないものの、ネットには終了を惜しむ声がたくさん上がっているようだ。オモチャが売れないという話が本当の理由なのか、例の不倫でスポンサーが怒ったのか、その辺りの事情は分からないが、まあ子供にウケてないのは確かなんだろう。

子供向けなのでマンネリが悪いとは思わないが、設定や展開がマンネリというよりは、色分けヒーロー・凝った怪人・巨大ロボット・オモチャのアイテムといった戦隊もののテンプレートによる「制約」が、仮面ライダーと比べて多すぎたのかもしれない。あるいは、若手のお披露目会に成り下がった結果、似たような俳優ばかりで個性がなくなり、キャラを活かしたエピソードやチームワークを発揮するエピソードといった戦隊ならではの作りができなかったのかもしれない。

ただ個人的には、実は残念だという気持ちはあまり持っていない。ビジネス面で難しいだろうけど、ターゲットを変えて、ニチアサの惰性を断ち切って、新しい形の特撮ヒーローが現われて欲しいものだ。それまでは、キャプターの再放送でもやってればいい。

ゴジュウジャー
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東島丹三郎は仮面ライダーになりたい #022025/10/14

仮面ライダーに憧れる大人たちが仮面ライダーになりきってショッカーと戦う話。原作段階から石森プロと東映が協力しているため、元ネタの映像(をアニメにしたもの)や主題歌などがばんばん挿入される。回想に出てくる1号には藤岡弘、V3には宮内洋がゲスト出演し、第2話では堀江美都子まで聴けてしまった。さあ、果たして令和の若者はついてこれるのか? ユリコ先生の名字はなぜ岡田なのか?

昭和の子供たちが「仮面ライダーになりたい」と言っていた気持ちは、ライダーごっこをやることもない現代の子供たちとはやはり大きく違うのだと思う。その熱量の違いを理解できる世代にとっては、なんというか魂が揺さぶられるものがあるのだ。日アサのチャラいライダーに苛ついていた年寄りが観るぶんには、超面白い。でも、昭和ライダーに思い入れのないヒトが観てどうなのかは、知らん。

茅野愛衣のタックルがすごく良い。背負い投げでもタックルがやれば電波投げ。

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仮面ライダーゼッツ2025/09/09

タスキ掛けのベルトが特徴的な、令和ライダー第7弾。
やけにマッチョでシンプルで、すっきりしたデザインなのは好印象。斜めのベルトだけが妙に浮いていてすごくダサいんだけど、これでベルトを腰に巻いたら、ハリウッド版か?って感じになってしまうのかもしれない。まあ、オモチャありきなので、ここからゴテゴテした強化パーツが付いていくんだろう。

変身後のバトルシーンは、ビームや炎ではなく肉弾戦を意識したCGで、すごく良かった。一方、変身前のドタバタ劇は、大人向けにはぼんやりしすぎで子供向けにはややこしすぎな設定だ。
いつも思うんだけど、戦隊ものも含めて最近のヒーローは、昔に比べて主人公が幼いというか、どうしてもガキに見えてしまう。だから「カッコいい」のではなく「カッコつけてる」という印象が拭えない。時代が全然違うけど、設定で言えば、今作の主人公は本郷猛や一文字隼人より年上なんだよね。笑える。

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ゴジラ-1.02025/04/04

怪獣映画から人間ドラマを排したことで、『シン・ゴジラ』は目新しかったしとても面白かった。ただ、この方向性では続編が難しいだろう、かといって別のゴジラは作りにくいだろう、とも思った。
だから、7年後に公開された本作には「あれ?早いな」「大丈夫かな」という先入観を持ってしまった。観る前からなんだかモヤモヤしていたのは、そういう理由だ。

十分に面白いし良い作品ではあるけど、なぜか戦後とか、やたら海上とか、『シン』から逃げている感がものすごい。戦後にしては満たされているし、特攻にしては緩いし、設定と展開や演出がかみ合っていないのも「逃げた」結果なんだろうと思う。アメリカ向けを意識してか、時代のしがらみか、あんな結末なのもまた違う意味で「逃げた」ように見える。
一方、ご自慢のVFXはといえば、アカデミー賞の視覚効果賞で話題になったが、そんなに良かったか?というのが正直なところだ。実写に乗せたCGは美しいけど、特撮に必要な臨場感が無い。

結局、誰もやりたがらない『シン』後ををやったから皆で褒めてあげましょう、そういう高評価な気がする。とにかくこれでめでたく続編が作れるわけで、実際に作るみたいだし。よかったね。

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ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー2025/02/20

50周年だからゴジュウなんだそうな。
ローマ字が「GOJU」ではなく「GOZYU」だったり、負け犬を連想させる「遠吠え」を名前にしたり、総じてネーミングがいまいち。指輪のオモチャ感とレッドの棒読みが気になるけど、それも含めて出来としては「いつもの」というところ。

マンネリが許されるのは、ターゲットの子供が代替わりするからだ。歴代レッドを出すことで新しいターゲット層が特段喜ぶはずもなく、かと言ってマニアにうれしい出し方でもない。ネタ切れなんだろうけど、下策だと思う。素直に「二代目ゴレンジャー」とかやれば良いのに。

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ウイングマン #102025/01/13

最終回を観て、特撮ヒーローには厳しい時代だと痛感した。様々な制約と短い尺の中で、よくぞここまで作ったものよと賞賛すべきなのだろう。コスチュームは良い出来だし、いろいろ技も取り入れて、デルタエンドも一応やってくれた。原作ファンに配慮しつつ条件をこなし、作品としてまとめ上げるというのは、誰にでもできることではない。

その厳しい時代の特撮は、よく知っている「いつもの感じ」で作られていた。
せっかく若手俳優のお披露目なのに、ろくに笑顔も見せてくれないシリアス一辺倒の展開。ピンチになるとすぐ過剰にハアハア言いながら地面に這いつくばる演出。本役との乖離も気にせずキレキレの動きでアピールする「後ろ向きのヒト」、タメる暇もなく割り当てられたスペース内を急いで動き回るCG、結局最後は巨大化しないと安心できない伝統芸のテンプレート、そしてネットニュースには提灯記事、……。
「いつもの感じ」で作られているから、「いつもの違和感」が強く残った。それだけのことだったわけだ。

おそらくこれからも「いつもの」特撮が続くだろう。なにしろ「ヒーローに憧れる少年」を特撮ヲタクとしてしか描けない時代なのだ。続編を匂わせる終わり方だったが、原作好きの一人としては、原作のラストに寄せた最終回の後にオリジナルストーリーなんかやって欲しくないなと思う。

もちろん悲観主義なわけではない。できればカッコいい特撮が観たいものだ。ただ、最終回の美紅ちゃんの衣装が、ドラマの内容なんかどうでもいいんだと言わんばかりの派手さで、踏み台にされてる感が本当に悔しかったんだ。

#07
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ウイングマン #072024/12/13

特撮アクションとして最大の見せ場になったはずのデルタエンドは、すでに期待してなかったとはいえ、二つの面で残念な出来だった。

一つはデルタエンドそのもの。わざわざ岩船山まで行って広大な空間があるのに、小さなCGがちまちま動いてデプスゾーン完成。クロムレイバーを使う手順すらも省略。決めとなるショックのカットは、CGの配置や誇張された遠近感が実写と合っていない、いかにもニチアサな画。
もう一つはデルタエンドの扱い。話の冒頭で、しかも変身直後にいきなり仕掛けて、あっという間におしまい。これは明らかに「初出の必殺技」の見せ方ではない。他の技と同じく「設定の消化」の扱いだ。

結局、特撮アクションと見せかけて若手俳優のお披露目なんだな。分かってたよ。分かってたんだけどさ。

#04
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