鉄鍋のジャン! #102026/09/08

嫌われ主人公が特徴の中華料理バトル。昔の漫画だから古いけど許してね、という弁解から始まる。そのくせ、画期的だったと原作を自画自賛しまくる。

主人公の性格やコンプラ問題を抜きにして、面白く感じないのは、負け方がショボいからだと思う。自信満々で傲慢な連中なのに、主人公も含めて、みんなあっさりつまんない負け方をする。互いに技術や工夫を極めた先での僅差の勝利!とか、そういう盛り上がりがまったく無い。
主人公は、無駄に悪人顔で相手を罵倒し高笑いする。口角を広げて真下にパカっと開くのだが、実はほとんどの登場人物がみんな同じ口の形で同じ開き方をしている。しかも台詞や感情に関係なく。作画で言えば、肝心の調理シーンがことごとく止め絵なのも、やっぱり物足りない。
主人公の高笑いは、文字をそのまま声に出したら残念な感じになった。なんか小物っぽい印象で、作品の説得力を下げている気がする。

「昔のだけど素晴らしい原作漫画をそのままアニメ化したよ」と言ってしまった以上、改変も改善も何もできない。堂々と弁解する津田健ナレーションは面白いけど、その手法が足枷になってはいないだろうか。

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愛してるゲームを終わらせたい #122026/09/07

照れたら負けのゲームで意地を張り合う、幼馴染みカップルのいちゃいちゃ話。設定がシンプルでかつ頭脳戦ではないという意味で、簡易版『かぐや様』みたいな感じ。

とっととくっつけや、という状況をにやにや眺めたりきゅんきゅん微笑んだりできれば楽しめる。みくちゃんの表情や仕草がとにかく可愛くて、しかも伊藤美来なので、個人的には十分幸せ。お約束通りの流れながら、意外とネタ切れ感も無く、生徒会長もイイ味出してて面白かった。
キャラデザも可愛いんだけど、おそらく細めな輪郭線の丸み加減が良くて、顔や身体が柔らかく見える。近頃は、CG能面を貼り付けたようなプラスチック質感の顔を見せられることが多くて、ちゃんと女の子らしい柔らかさが感じられる作画は、それだけで惹かれるものがある。

終わり方もお約束通りでとても良かった。絶対に続編やっちゃダメ。

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ワールド イズ ダンシング #102026/09/06

能の大成者とされる世阿弥が、舞うことの意味と表現の世界を見出していく。実在の人物や史実を元にしてはいるが、ほぼほぼフィクションな成長物語。

芸術を扱う作品は難しい。バンドアニメで曲がダメだとどうしようもないように、良い舞を良い舞として描くならば、それだけのセンスや作画と演出の技術が不可欠だ。そういう意味では、頑張ってるのは分かるし相応の出来にはなっていると思う。なのになぜかもう一つ、作品に入り込めないというか、主人公に共感できないというか。

第一印象として、衣装と時代背景から、すでに人気の『逃げ上手』のパチモンくさい。主人公は、鬼夜叉という史実の名前とはミスマッチな女性ぽいデザインで、しかも花守ゆみりはなでしこモードで、脱いだら男だったのが気持ち悪く感じたほど。父親に厳しく仕込まれた天賦の才能を持つ少年、とはとても思えず、ちょっとウザい「のだ」のせいもあって、甘やかされた稽古嫌いのボンボンに見えてしまう。だから、そんなヤツが「舞うことの意味に思い悩む」姿になんか、ちっとも共感できない。
また、能楽がそもそも伝わりにくいという側面もあるだろう。「卒塔婆小町」も「汐汲」も雰囲気は出ていて歌も美しかったが、感動するほどの良さは解らなかった。作画の工夫がーなどと安易には言えないが、普通に舞台と情景を見せられるだけでは物足りなかったのは確かだ。

ときどき台詞の中に出てくる詩的な表現が、この作品の本来の魅力なような気がする。しかし、漫画で効果的だった言葉は、アニメの台詞に乗せただけでは効果的には伝わらない。アニメ制作としては派手に動かしたいのだろうけど、もう少し言葉を重要視して、静としての空気感をベースに作った方が、能楽にも合うし動としての舞も活きてくるのではないかと思う。
心地良いキンキン声でお馴染みの内田真礼が見事に少年役を演じていて、エド朴璐美もいて、花守ゆみりのせいじゃないけど、なでしこモードだけ方向性が違っていた。成長した鬼夜叉は男声のようなので、ここから雰囲気が変わるかもしれない。

まあ、能を「ダンシング」なのがまず共感できないんだけどね。

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クレバテス2 -魔獣の王と偽りの勇者伝承- #092026/09/05

仇討ちの旅が第1期で終わり、なぜか第2期は魔術学校に潜入して学園もの。謎の書とか紋とか伝承とか表裏とか、第1期に比べて複雑な話が多いけど、まあ細かいことは気にしなくても大丈夫。

あくまでチートで無双するのはクレバテスで、勇者アリシアはこき使われる不幸キャラ。主人公なのに潰されたり落とされたりでボロボロになり、それでもめげずに立ち上がる。複雑に見えても実は王道の展開であり、本質的に解りやすいのがこの作品の良いところだ。ちょっと抜けた感じの言動で、暗くもグロくもなり過ぎない雰囲気がちょうど良いし、逆境に耐える白石晴香CVのアリシアは、“拷問”に屈しない姫様みたいでなんだか笑える。剣と魔法で学園ものというベタベタな世界にも関わらず、不思議と見飽きた感が少なくて、粗製品が並ぶ今期の中では十分に面白い。

アニメとしては、第1期よりもアリシアの動きが良くなった気がする。回想回想また回想で第8話がややもたついたものの、アリシア復活で一気に払拭。アリッサモードも可愛いけど、やっぱり元の姿の方が好き。それにしてもこの娘、肌の露出が増えても全然色っぽく見えないのはなぜだろう。

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ふつつかな悪女ではございますが #082026/08/31

病弱ながら優しく美しく誰からも愛される妃候補の主人公が、同じ妃候補で嫌われ者の悪女と身体を入れ替えられてしまう。窮地に陥ったと思いきや、健康な身体を手に入れたと逆に喜ぶ鋼の精神でもって、後宮の陰謀を暴いたり畑を耕したり悪女を救ったりイモを蒸かしたりする話。いわゆる悪役令嬢ものではない。

酷い目に遭っているはずなのに笑顔で暴走する主人公、というキャラがなんとも愛しくて良い。入れ替わりを引っ張り過ぎずに露見させるタイミングも、悪女と仲良くなるという救いのある展開も、陰湿どろどろな内容だというのにほとんど不快感が無くて、とても面白い作品だ。後宮を舞台にした中華風なので、『薬屋』とぶつかったら終わっていただろう。間に合ってよかったね。
皇后CVはベテランだけど、錚々たるアニメ声優陣に囲まれた第7話では浮きまくっていて残念だった。たどたどしく感じる演技の仕方が、旦那の速水奨にちょっと似てる気がして変に笑えたのがまた悲しかった。OPのmiletは、『フリーレン』EDは良かったけど、声の出し方が特徴的なので同じ曲に聞こえる。星風まどか・潤花とのコラボも合ってる感じだし、ネタ切れ状態の宝塚でも演れば良いと思う。

声を出してまいりましょう。

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逃げ上手の若君 #182026/08/28

鎌倉幕府の生き残りである北条時行が、仲間たちとともに鎌倉奪還に挑む。史実ベースなので結末は判ってるわけだが、逃げや神力の描写を含めた誇張気味なキャラ設定で、血みどろ時代に楽しさの存在を表現した作品。

CloverWorksによる美麗な作画で、クドく暑苦しく描かれた武士たちとの対比により、主人公たち子供キャラの表情や動きが素晴らしく魅力的なのが良いところ。近頃の、変に歪めた顔や悪意に満ちた顔で特徴を出そうとするキャラデザが多い中で、普通に楽しそうな笑顔を美しく描けるというのは、とても貴重で観ていて快い。
ところが第2期になると、その最大の魅力をぶち壊す演出の迷走が始まった。最初の第13話では、冒頭から実写で講談師が長々語るというアニメとして致命的な自己否定。第14話はフリー素材、第15話は実写でパロディ、第16話も実写の将棋と人形劇。第18話では決定的な「変に歪めた顔」のキャラデザを投入し、なんか全部潰してしまった感じ。

実写を使う演出は、正直大嫌いだが、効果的であればアリだとは思う。しかしここまで「フツーにアニメなんか作っても面白くないし、何でもいいから変わったことやるぞ」とばかりにセンスの欠片も無い演出をされると、これはもう作品自体が台無しだ。そして、こういう演出を平気でやる連中と言えば、どうしてもフジテレビが頭に浮かぶ。第2期は『鬼滅』に続いての横取り物件であり、何よりアニメや洋画でやらかした過去がいっぱいある。さすがに今作の迷走がフジテレビのせいだとは思わないが、なんとなく引っ掛かるのも確かだ。公式でシリーズ通番の話数がなぜかテレビではリセットなのも、気持ち悪い。

旧ジャニOPはインパクトで第1期に負けてるが、日向坂EDは慣れると悪くない。主人公CVは新人で若手も多いが問題ナシ。さらっと混ざれる悠木碧の芸達者ぶりもさすが。二代目しんのすけはちと不安かも。矢野妃菜喜の「むふー」が好き。

さて、魅摩CVは誰になりますか。

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グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~ #082026/08/26

有名サーカス団で育った少女が貧乏サーカス団で仲間たちとともに頑張る話。昭和レトロな雰囲気と、あんまりないサーカス話、主人公をはじめとするキャラやその表情が魅力的な、観ていて心地良い作品だ。

金欠の弱小団になぜか才能が集まってるとか、そういうご都合設定は仕方ないけど、大手に嫌がらせされるとか権力が腐ってるとか、そういう陰謀展開はあまりやって欲しくない。作画はキレイなのに、なぜか肝心のサーカスで空中ブランコ以外の演目がほぼ動かないのはとても残念。ここはやはり、せっかくの良い雰囲気を保ったまま、王道のサクセス話で、最後に長尺で圧巻のサーカスシーン!というのが理想だと思う。
新人や若手をメインに据えたCVは、全体的にクセの無さが良くて、控えめに安心感を与えてくれる釘宮理恵や茅野愛衣らもよく調和している。主人公のドライなキャラや台詞回しにより生まれる軽快なテンポが作品の魅力になってるんだけど、デレてしまったことで今後それが失われないかはちょっと心配。

令和の、すごい、サーカス!

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幼女戦記2 #072026/08/23

合理主義で信仰心に欠ける主人公が、自称神の怒りを買い戦乱の世に転生するも、己を貫きつつ幼女の身で最前線を戦い抜く。政治やら軍事やらの重い話ながら、幼女な主人公と魔法の存在がフィクション感を演出し、合理的判断の積み重ねが狂気的結果を生むという圧倒的に力強い展開が超面白い作品だ。
第1期からえらく待たされたものの、クオリティは万全の第2期でうれしい限り。ストーリーの時系列としては劇場版が間に挟まるが、ターニャが中佐になって戦闘団を抱え込まされた、くらいの情報があればとりあえず大丈夫。

第1期からだけど、キャラデザに原作イラストのような美しさが全く無いのはやや残念。それでも、思惑が裏目に出て悶えたり戦場で勇ましく狂ったり、幼女の様々な顔を見事に表現する悠木碧の技量が素晴らしくて、主人公の魅力は十分に引き出されている。雪女とか小町とかヴィクトリカとか実に幅広いキャラを演じ分け、『蜘蛛』とか『平家物語』とかほぼ独りでも作品を成立させてしまう、この無敵の声優さんには、来期また『薬屋』でお会いすることになるだろう。

劇場版から、メアリーがちょいちょい暴走していて、一面的で愛されポイントが無いせいもあって、なんだか不快なキャラになってしまっている。戦場での自分勝手がせっかくのリアリティを損ねているし、アニメ版では早めになんとかして欲しい。しかも、こういうキャラに戸松遥だと、一本調子な喋りが悪い意味でハマるので救いが無くなってしまう。最近はまた劣化してる気がするので、もう一度『かんなぎ』を思い出しましょう。

第2期は、なんだかゼートゥーア閣下が主人公。それもまた良し。

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