合コンに行ったら女がいなかった話 #032024/12/01

絵柄やストーリーでいえば、このテの作品はあまり好みではないのだが。気がつけば、なぜか吸い込まれるように喜んで観ている。

男装女子のキャスティングが良いのだろう。いつものクセを抑えたおとなしい喋りの悠木碧や東山奈央も良いけど、男装の王子様と色っぽい女子のイメージを両立させた小松未可子の柔らかい声質がなんとも耳に心地よい。

goukon-anime.com/

機動戦士ガンダムGQuuuuuuX2024/12/04

カラーと組んでの新作は、ジークアクスと読むらしい。「u」は6個。

カラーリング以外はまったくらしくないデザイン。「ガンダム」の名前で収益を担保しつつ試行錯誤する、つまりは仮面ライダーと同じ手法なのだろう。鶴巻監督に山下メカなので、若手育成というよりは話題性重視という印象だ。

まずは戦争でなく競技の話とか、主人公が女子高生とか、『水星』ぽい設定にはやや疑問を覚える。商業的な都合もあるだろうが、できればカラーのリソースは「エヴァ」に次ぐオリジナルな世界観の構築に注いで欲しいものだと思う。
そういえばサンライズ制作のマクロスの話はどうなったんだろう。

www.gundam.info/feature/gquuuuuux/

かがみの孤城2024/12/05

いじめや不登校をテーマとするものに「自分もこうだった」「考えさせられる」といった高評価が集まりがちなのは、いつものことだ。ではアニメ作品としてどうかといえば、あまり良い出来とは思えなかった。

おそらく謎解きとして描いてはいけない作品なんだろう。それは単なる世界設定であって、その中で主人公たちがどう変わるかなぜ変わるかをもっと描くべきだったはずだ。表現の拙い非声優の多用とか、コナンで伏線とか、解明シーンで大仰なクライマックスとか、謎解きメインの演出がことごとく違和感を生んでいる。

原作小説で評価を得たポイントと、商業的に映像化するときの宣伝ポイントとが、ズレている印象。まあよくある話だけど。

movies.shochiku.co.jp/kagaminokojo/

夏目友人帳 漆 #052024/12/06

第1・2期は文句なく名作だ。第3・4期は祓い屋の話が多かったが総じて面白かった。しかし第5・6期はエピソード切れとアニメ製作陣の変更が重なり、いろいろ消化不良で悲しかった。

満を持しての第7期は、だいぶ安心して観られるレベルに戻ったようだ。血湧き肉躍るでもなく、派手に泣けるわけでもなく、ただなんとなくちょっといい気分になる感じが、やはりこの作品の魅力だろう。

ちょびの台詞でも分かるように、言うけれど言い過ぎずの脚本がキモだと思うので、この先も丁寧な言葉選びを期待したい。

www.natsume-anime.jp/introduction/series7/

るろうに剣心 京都動乱 #322024/12/11

アニメに限らず、作中の方言がその地方の出身者から批判されるのはよくあることだ。殊に大阪人は、大阪以外の方言にまで「そんなの大阪弁じゃない」と怒ることがある。今回でいえば、CVのイントネーションも気になったけど、大阪人じゃなくても分かるほど脚本が変だったように思う。

もちろんキャストもスタッフも万能ではない。意味が伝わらなくなるほどネイティブ方言な脚本にはできないし、外国語キャラだったりするとこれまた難しい。ただ、いろんな作品で、もうちょっと何とかならんかと思うことが多いのも事実。「なまら」「したっけ」を連発するだけで北海道弁と言われても困るのだ。やはり、キャラ付けと違和感のバランスは永遠の課題なのだろうか。

rurouni-kenshin.com/

ウイングマン #072024/12/13

特撮アクションとして最大の見せ場になったはずのデルタエンドは、すでに期待してなかったとはいえ、二つの面で残念な出来だった。

一つはデルタエンドそのもの。わざわざ岩船山まで行って広大な空間があるのに、小さなCGがちまちま動いてデプスゾーン完成。クロムレイバーを使う手順すらも省略。決めとなるショックのカットは、CGの配置や誇張された遠近感が実写と合っていない、いかにもニチアサな画。
もう一つはデルタエンドの扱い。話の冒頭で、しかも変身直後にいきなり仕掛けて、あっという間におしまい。これは明らかに「初出の必殺技」の見せ方ではない。他の技と同じく「設定の消化」の扱いだ。

結局、特撮アクションと見せかけて若手俳優のお披露目なんだな。分かってたよ。分かってたんだけどさ。

www.tv-tokyo.co.jp/wingman/

負けヒロインが多すぎる! #082024/12/23

突然に道の駅、そして特産品の紹介。豊橋コラボな作品とはいえ、こうも堂々とCMを挿まれると、もう笑うしかない。キャラに魅力のある作品ながら、地域とのタッグがうまく機能しているようで気持ちいい。

最近は、どこにでもありそうな街や学校を舞台にしたアニメで、取って付けたように地方の商業施設やら食べ物やらを見せられることが多くなった。しかしたいていは、とりたてて風景に特徴があるでもなく/別段ストーリーに影響するでもなく、ただ「ここがロケ地ですよ」というものばかりだ。場合によっては、「ほらほら聖地巡礼に来なさいよ」と言われているようで、カネの臭いが不快に感じることすらある。

『ガルパン』はなぜ大成功したのか、『ゆるキャン△』はなぜ不快でないのか。良質な作品と本気の地域リスペクトとが揃えば、観ている方も快く行ってみたいと思えるものだ。

makeine-anime.com/