戦隊大失格2 #212025/07/01

戦隊ヒーローとのやらせ対決で敗北し続ける状況を覆すべく、怪人戦闘員が敵の戦隊に潜入して暴れ回る話。マンネリパターンをヒーロー側によるやらせと設定したことで、戦隊ものながら実に斬新な印象の作品。

大戦隊の裏の顔とか、戦闘員の下っ端なりの戦いとか、基本設定は本当に面白くて、第1期前半までは楽しく観ていられた。でも、怪人幹部が出てきて神具がどーこー言い始めて、いったい誰が何をやってるんだろう状態になってからは、なんだかちょっと疲れてきた。予測不能と言えば聞こえは良いのだが、盛り沢山の登場人物と裏設定を一気に消化しようとしてとっ散らかっているように見える。もう少し整理した見せ方でアニメ化できれば良かったんだろうけれど。

設定消化の流れに置いていかれがちな戦闘員Dが、スバルモードの小林裕介でただのウザい奴になっちゃってるのも残念。

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アオのハコ #182025/07/07

リアル青春恋愛ものは、背中がむずむずするので観るのに時間がかかる。王道まっすぐな部活話で、ヒロイン女子がとても可愛く感じられるのが好印象な作品だ。

お天気ツンデレ系の鬼頭明里も良いけど、スポーツ美人な上田麗奈の透明感がとにかく魅力的。上田麗奈というと、『異世界食堂』アディや『わた婚』美世のような清楚系ほわほわ裏声モードが多いけど、この千夏先輩や『ソロレベ』向坂雫みたいな、さわやかな汗が似合う活発系の方が個人的には好みだ。
ときどき見せる半開きの口元とか、両手にポカリでどっち?とか、女性視点だとあざとく映りそうだけど、所詮男はこういうのに弱いのよ。

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青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない2025/07/08

花楓ちゃんが高校受験をがんばる話で、思春期症候群による不思議現象も起こらず、シリーズの中ではおとなしい展開。それでいて退屈なわけでなく、登場人物たちのあたたかさが丁寧に描かれていて、文学的な情緒にあふれた良作だ。

『青ブタ』で好きなのは、基本的にみんなが良いヒトなところだ。
濫造ラノベでは、とかく「イヤなヤツ」を出して主人公を良く見せようとする。ブラックで過労死だのパーティーから追放だの、うんざりするほどコスられているのは、結局はそれが簡単だからだ。しかし『青ブタ』では誰も悪くない。例えばスクールカウンセラーなんか、いかにも悪役にできそうなポジションだが、本作ではとても良いヒトだ。
良いヒトたちが真剣に想い合って悩み抜いていく姿を台詞や行動で淡々と表現する、つまり簡単でないことを見事にやっているから、素晴らしい作品だと思うのだ。

相変わらず咲太と麻衣さんのやり取りは楽しいんだけど、新作では古賀や双葉をもうちょっと出して欲しい。

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薬屋のひとりごと #482025/07/09

砦に連れて行かれてから、しばらくシリアス展開で淋しかったけど、最終回らしい締め方と続編制作決定!でキレイにまとまって大満足。

個々の謎解きやエピソードが次の大きな事件に繋がって、緻密に練り上げられた筋立てが目の前に広げられていく感覚が、やはり痛快だ。第1期の祭具の話ほど大掛かりでなくとも、すべてが細かく関連していて、選択の廟への導入だった手習い所は、最後に小蘭の手紙となって感動の涙を誘った。
すべてが繋がっているということは、まだまだ先のある原作をじっくり端折らず描く必要があるということだ。願わくば、安上がりな下請けに投げたりせず高クオリティを維持して欲しい。

#39
kusuriyanohitorigoto.jp/
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ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS- #082025/07/10

『ヒロアカ』の世界で非合法ヒーローたちを主役にしたスピンオフ作品。ヒーロー主題の話ながらボケやラブコメの要素が適度に織り交ぜられており、アニメっぽいノリもあって、楽しく観ていられる。ポップ可愛い。

言い方は悪いんだけど、どうも『ヒロアカ』を観ていると、「はい、ここ、泣くシーンですよ、感動してくださいね」とか、「はい、これ、名言ですよ、感動してくださいね」とか、そういう演出が過剰に思える。本作にはそれが無いぶん気楽なので、できればこの先も気楽なままで進めて欲しい。無理かな。

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その着せ替え人形は恋をする #142025/07/16

生真面目くんとヲタク美少女ギャルがコスプレ衣装を作りながらラブコメする話で、海夢ちゃんの表情や仕草が可愛く、直田姫奈の軽快なギャル喋りが楽しい作品。人気の出た第1期から時間が空いたものの、クオリティを保っての第2期はうれしい限り。

出演作は多くないけど、直田姫奈の喋りがキャラを見事に表現していてとても良い。ギャルというと「ダル~」とか言う感じのパターンが多いけど、海夢ちゃんの場合は「好きなものは好き」や「すぐ行動」といった肯定的なギャル像にピュアな美少女の一面を加えて、好感の持てるキャラになっている。
その一方で、第2期は新キャラも多い。中性的な声質ということで今期来期と出まくりの村瀬歩だけど、個人的にはちょっと苦手な声優だ。なんていうか「いじめられっ子のオドオドした態度にますますイラつくいじめっ子」みたいな気分になって楽しめないんだよね。本当に勝手な主観で申し訳ないんだけど。

とりあえず、ジュジュ様と心寿ちゃんの再登場を待とう。

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サイレント・ウィッチ #022025/07/17

人見知りが高じて無詠唱魔術を編み出した天才少女が、王子を巡る陰謀に立ち向かったり、友人たちとの交流を通じて成長したりする話。ビクつくモニカの可愛さと魔術を操るモニカの凜々しさとのギャップが、ストーリーとリンクしてとても魅力的に感じられる作品。

とにかく会沢紗弥のキョドる演技が絶品で、『陰の実力者』シェリーや『飯うまし』星ななも良かったけど、本作ではその名人芸を存分に楽しめてうれしい。
また、種﨑敦美が珍しく高笑い令嬢キャラで、いったいこの人は何種類の声を出せるんだろう、と驚嘆する。よく「いくつものまったく違う声を出す技術力」が称賛されているけど、種﨑敦美の本質は「いくつものまったく違う声でそれぞれ感情表現できる圧倒的な演技力」だ。ゆっくり体調を回復されて、今後も大活躍して欲しい。

あとやっぱ、KADOKAWA系はカネかかってて画がキレイだね。

silentwitch.net/

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない2025/07/18

高校生編のラストで、シリーズの他の作品とは異なり、咲太自身の思春期症候群エピソードなので、ヒロインが居ない。淡々と傍観者的に行動する咲太にもやはり内に抱えていたものがあり、それが溢れることで麻衣さんや家族との絆を深める、イイ話だ。

ヒロインが居ないため導き手のランドセルガールがタイトルになっているが、この子の立ち位置がいまいち分からない。また、大学生編への布石として赤城が登場したり霧島透子の話題が出たりするが、基本的に本作とは関係がない。シリーズとして観ていれば原作通りの流れなんだろうけど、単品映画としてはその辺りが消化不良感を生んでいるように思った。

おでかけシスター
ao-buta.com/knapsack/
ランドセルってナップサックなんか?